添乗員に求められる英語力とは?英語が必要な場面と添乗員×英語で広がるキャリア
添乗員として、世界各地の大自然や歴史的な都市・名所を巡ること、そんなロマンを感じる仕事に魅かれる人は多いでしょう。
ですが、その一方でツアー旅行をまとめる添乗員には様々な責任とスキルが求められています。特に、言葉の通じない海外で活躍するには、語学力、特に英語力は不可欠です。
この記事では、海外ツアーの添乗員としての必須の英語力や、英語が必要とされる場面、そして、添乗員のこれからのキャリアをご紹介していきます。
1.海外旅行・海外ツアーの添乗員になるためにはどうしたらいい?
まず、添乗員になるためには「旅程管理主任者」という資格を取得する必要があります。
旅程管理主任者は、旅行業法に基づく資格の一つで、ツアーの旅程を管理し、安全なツアーを提供するための役割を担うためのもので、添乗業務を行う際、旅程管理主任者の資格保有者が1名以上同行していなければならないことが旅行業法によって規定されています。
旅程管理主任者には2種類あり、国内旅行の添乗業務に必要になるのが「国内旅程管理主任者」、海外旅行の添乗業務に必要になるのが「総合旅程管理主任者」の資格となります。海外旅行の添乗員になるためには「総合旅程管理主任者」の取得が必要となります。
海外旅行・海外ツアーの添乗員を希望する方は、まずは「総合旅程管理主任者」の取得について検討してみましょう。詳しくは以下の記事でご紹介しています。
添乗員の資格「旅程管理主任者」の難易度や合格率は?
https://www.tex.co.jp/contents/3/113
2.海外ツアーの添乗員に求められる英語力とは?
旅程管理主任者を取得したとしても、必ずしも海外ツアーの添乗員として活躍できるわけではありません。
海外ツアーの添乗員として活躍するためには、ただ英語を話せるだけでなく、実践的なコミュニケーション能力が必須です。では、具体的にどのような英語力や資格が求められるのでしょうか?
(1)一般的な会話力
基本的な英会話はもとより、旅行業界特有の表現・フレーズを理解し、使えることが基本です。慣れの要素も大きいので、海外旅行の場数を踏むことでより会話力が向上するでしょう。
(2)緊急時の対応
海外ツアーにトラブルはつきもの。緊急事態でも慌てずに、迅速かつ正確に対応するための英語スキルは必須です。
(3)文化的な理解
異文化間でのコミュニケーションは、言葉だけでなく、文化や習慣の違いを尊重する姿勢が大切です。また同じ英語でも国が違えばアクセントや言い回しは微妙に変わってきます。それらを踏まえて、正しく相手の話を理解できる聞き手としての能力も重要です。
添乗員としての業務における英語力は非常に重要ですが、具体的なTOEICやTOEFLのスコア要件は、採用する旅行会社やそのポリシーによって異なります。
TOEICの要求スコアについては、一般的な企業でのビジネス英語の要求スコアは600点以上とされることが多いですが、海外ツアーの添乗員は、外国人とのコミュニケーションが頻繁に発生するため、より高いスコア(例: 800点以上)が求められることもあります。
また、TOEICだけでなく、英検や、TOFEL、IELTSなど他の英語試験のスコアも参考にされることがあります。旅行会社や求人情報によっては、具体的なスコア要件が明示されている場合もあるので、希望する会社の採用要件をしっかり確認することが大切です。
※ツーリストエキスパーツでは、国内添乗の実績と社内試験に合格した後、海外研修を実施し、海外添乗員としてデビューします。
ただし、これらのスコアはあくまで目安であり、実際の業務でのコミュニケーション能力や状況に応じた迅速な判断やトラブルシューティング能力が最も重要といえるでしょう。
3.添乗員の英語が求められる場面とは?
海外ツアーの添乗員として活躍する上で、英語は必須のスキルとなりますが、具体的にどのような場面でその能力が試されるのでしょうか?
(1)空港の手続き
旅のスタートと終わり、空港でのチェックイン手続きや乗り継ぎ情報の確認は基本中の基本。正確な情報を確認し、速やかに手続きを行うための基本的な英語力が求められます。
(2)ホテルのチェックイン・チェックアウト
予約の確認や要望の伝達はもとより、問題が発生した際の交渉など、ホテルのフロントやコンシェルジュ、ホテルスタッフとの細やかなコミュニケーションをうまく行うことで、お客様からの信頼と満足度を大きく向上させられるでしょう。
(3)現地のガイドとの連携
旅行先でのスケジュールの調整や、トラブル時の協力要請など、現地のガイドやスタッフとの円滑なコミュニケーションは必須です。但し、ツアーによっては日本語ができる現地ガイドがアサインされることもあるため、その場合は英語でのコミュニケーションが不要になる場合もあります。
(4)食事や移動中のサポート
レストランのメニューの解説や、移動中のアナウンスなど、日常的なサポート活動でも英語は欠かせません。ホテルでの英会話と同様に、これらを丁寧に行うことはツアーのお客様の満足度向上に大きく寄与するでしょう。
(5)緊急時の対応
事故や病気などの緊急時には、迅速かつ正確な対応が求められます。医療スタッフや警察とのコミュニケーションにも、英語力が必要となります。状況によっては電話での会話や、周囲が騒然としている中でのコミュニケーションを求められる可能性もあり、添乗員にとってはもっとも英語力を試される場面の一つです。
添乗員の仕事は多岐にわたり、様々な場面で英語力が活かされます。それぞれの場面での適切な英語の使用は、旅行の質を大きく左右しますので、それぞれの状況をふまえて英語力の向上を心がけましょう。
4.添乗員に求められる英語力は現地ガイドの有無によって大きく変わる?
添乗員の英語力の必要度は、現地ガイドが同行するか否かで変わるとよく言われます。では、その真偽はどうなのでしょうか?
現地ガイドが同行する場合、特定の場所や歴史に関する説明はガイドが担当します。しかし、それでも添乗員が英語を全く話さないというわけにはいきません。日本語を話せないガイドとの連携や、緊急時の対応など、多岐にわたる場面でのコミュニケーションが必要です。
現地ガイドが不在の場合は、添乗員が全ての情報提供や対応を行うため、高度な英語スキルが求められます。特に、観光地の説明や歴史的背景の解説など、専門的な内容を正確に伝える能力が重要となります。
また、現地ガイドの有無に関わらず、現地の人々との交流や、ショッピング、食事の際の対応など、ツアーのお客様の満足度アップにつながる日常的なコミュニケーションは添乗員の役割として不可欠です。そして緊急時の対応については、添乗員の基本的かつ重要な役割となりますので、そのような場面での確実な英語でのコミュニケーション力は絶対に必要です。
現地ガイドが同行することで、いくつかの場面で添乗員に求められる英語力に変わってきますが、お客様の満足度向上や緊急時の対応など、添乗員に求められる役割においては一定の英語力は不可欠だといえるでしょう。
5.海外ツアーの添乗員にとって英語力と同じくらい重要な資質
添乗員としての職務は、英語力だけが全てではありません。実際にツアーを成功させるためには、他にも様々な資質が求められます。英語力と同じくらい、もしくはそれ以上に重要な資質は何でしょうか?
(1)柔軟性
突発的なトラブルや変更が発生することも少なくありません。そのような状況に臨機応変に対応できる柔軟性は、添乗員にとって非常に価値のあるスキルです。
(2)人間関係のスキル
ツアーメンバーや現地スタッフとの円滑なコミュニケーションは、旅の質を大きく左右します。優れた人間関係スキルを持つことで、参加者にとって快適な旅を提供することができます。
(3)リーダーシップ
多くの場面でグループを引率する添乗員には、リーダーシップが求められます。安全確保やメンバーの動向の管理など、添乗員の判断がツアーの成功を左右します。
(4)問題解決能力
旅行中には様々な問題が発生することがあります。その際、冷静に状況を判断し、最適な解決策を導き出せる能力は必須です。
スマートフォンでの翻訳アプリや地図アプリも大きく普及してきた昨今では、これらのツールを駆使して英語での対応の一部をフォローすることもできるようになってきました。だからこそ、英語力以外にも、これらの資質も同時に磨くことで、真のプロフェッショナルとして海外旅行・海外ツアーで活躍できる可能性が広がるのです。
6.観光×英語で広がるキャリア
観光と英語の組み合わせは、今後、有望なキャリアパスと言えます。特に、日本のインバウンド旅行の需要の増加を考慮すると、この二つの要素を兼ね備えた人材はますます重要となってきます。では、具体的なキャリアとして、どのような選択肢があるのでしょうか?
(1)通訳案内士
異国の観光客に日本の魅力を伝え、文化や歴史の背景も英語で解説する能力が求められます。
(2)ホテルやリゾートのスタッフ
グローバルなゲストへのホスピタリティを担当するための英語能力が必要です。
(3)地方の観光協会やDMO
日本全国での観光推進活動が活発化しており、英語を話すスタッフの需要が高まっています。観光戦略の策定や外国からの観光客対応、プロモーション活動など、多岐にわたる業務があります。
(4)インバウンド観光コンサルタント
地域資源を最大限に活かした観光戦略の提案や、外国市場へのマーケティング活動を行います。
(5)観光イベントのプロデュース
地域の祭りやイベントの国際的なプロモーションを担当し、異文化間の交流の橋渡しを行います。
観光と英語という異なるスキルを掛け合わせることで実現できるキャリアは多岐にわたります。まずは、添乗員として、世界各地を駆け回り、その経験の中で英語力と観光に関する知識やスキルを蓄積していく。そのまま添乗員として活躍する道も魅力的ですが、ライフスタイルや自身の価値観の変化によっては、それまでに培った英語力とスキルを活かして、次のキャリアにつなげていくこともできるでしょう。海外旅行・海外ツアーの添乗員はそのような可能性をもった魅力的な仕事だといえます。
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